My Life As A Singer

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プロフィール

学年:1期生
出身:秋田県能代市二ツ井町
留学先: 米ミネソタ州立St.Cloud State University

soulに磨かれた黄金の歌声を持つ。幼少の頃に母親の好きなsoul musicに慣れ親しみ、10代の頃はロックギターに傾倒する。国際教養大学でblack music historyを学ぶ一環としてGospelに出会ったことにより、歌う喜びに目覚めたと同時に心に眠っていたsoulの感性が蘇る。
2014春、歌修行のため単身ニューヨークへ。ゴスペルディレクターJohnetta Bush、ヴォーカルトレーナーStacy Pensonに師事。また、現地ライブハウス、ストリート、黒人教会など、本場の地で歌唱力を磨く。黒人教会のゴスペルクワイヤではリードシンガーを務めた。上京後、gospel、classic soulやbluesを歌うことでルーツ・ミュージックを更に追求し、その音楽性は、和製D’Angelo、 John Legendの呼び声も高い。
2017年5月に1stアルバム”GOLD”をリリース。収録曲”わかったんだ”がFM秋田マンスリーソングに選出。秋田ノーザンハピネッツ戦のオープニングアクトでは2千人以上の観客に歌声を届けた。2018年に故郷秋田を歌ったシングル「軽トラでゆこう」をリリース。2020年には同曲が起用された(株)秋田スズキのCMが秋田県広告協会大賞を受賞。2020年10月に秋田弁を題材にしたシングル「MAMAKE」をリリース。
秋田の三種町では「三種ゴスペル」のディレクターとして故郷の文化活動に貢献。県内各地の小学校でゴスペル教室を定期的に開講。また、都内各地でゴスペルワークショップ、ヴォーカルレッスンやオンラインレッスンを開講し、歌う楽しさを幅広い世代に伝えている。

故郷での活動の開拓と成長

「レッスン日は全細胞が活発化し、ワクワク、ドキドキ」と三種(みたね)ゴスペルに参加して下さる70代女性の方。2018年からスタートとしたこのゴスペルサークルは、地元秋田の老若男女、カラフルなメンバーと毎月2回のリモートレッスンで歌声を合わせています。パンデミック以前は、私がほぼ毎月秋田に出向き対面レッスンを行っていたが、現在はリモートレッスンが板について、参加者皆楽しんで下さっています。

AIU卒業後、就職やアルバイトを経て、現在は都内を拠点にミュージシャン・講師として活動しています。2017年に自主リリース音源を秋田の各メディアで取り上げて頂いてから、故郷での演奏やゴスペルレッスンの場を沢山頂く様になりました。こうして都内・秋田の2拠点での活動スタイルはとても恵まれたご縁だなと嬉しく思います。

都内でゴスペル講師としてのキャリアをスタートとした当時は、配達の仕事と二足の草鞋だったので、もっと積極的に音楽の場を増やそうと思っていた矢先に、秋田でのとあるイベントでライブと合わせてゴスペルワークショップの依頼を頂きました。演奏家と講師という二刀流のスタイルが始まったときでした。まだまだ故郷では馴染みの無い文化にも関わらず当日は参加者に楽しんで貰えた手応えがありました。秋田の人にも楽しんで貰えるならもっと広めたい、そう感じて間もなく以前から交流のあった三種町の協力者とともに三種ゴスペルの発足に至りました。

2018年 三種ゴスペルワークショップ

秋田県内各地から参加者が集まり毎月歌声を合わせ、秋田ノーザンハピネッツの試合で数千人を前に演奏を披露するなど、活発なグループへと成長していきました。また、県内各地の小中学生、不登校の子ども達や支援学校の生徒さん達へ、課外授業としてゴスペルレッスンを行うなど新たな体験の場として活用頂ける様になりました。2019年には、三種ゴスペルからの有志を東京に招き、私が都内で指導するメンバーと歌声を合わせて頂く機会もありました。確実に自分の活動が広がっていくのを感じると同時に、参加者一人一人の輪が広がっていくのが嬉しかったです。

2019年 三種町浜口小学校でのゴスペル課外授業

歌の力で豊かなコミュニティ作りを

都内のゴスペルチームも三種ゴスペルも在り方として拘るのはコミュニティとしての存在です。歌を歌って楽しむ、の他に、仲間達に会える、あそこに行けば何か自分の生活に楽しくプラスになる事を持ち帰る事が出来る、という場所。アメリカにゴスペル修行に行った時、現地の黒人教会で感じたのは、笑い合い助け合って暮らす人々のコミュニティとしての温かさや強さでした。

2014年に通っていた米New Jersey州Newarkの黒人教会St.Johns Baptist Churchでのゴスペル賛美

私もレッスン中は歌うだけでなく、メンバー同士が近況報告出来る時間やお互いを少しでも知り合える時間を作る様にしています。メンバー間の世代差や境遇の違いが好奇心に繋がり、それぞれの世界にも広がりが出来る様に感じます。家族や職場の他に、大切な出会いの場や表現の場があると、生活が華やぐとゴスペルのメンバーも実感している様です。もちろんこれは音楽としてより素晴らしい歌声を出すためにも大事な要素で、声のまとまりの良さがまるで変わります。

2014年 米New Jersey州The African American Heritage Festival出演

ゴスペル活動と並行しての歌手活動として、オリジナル曲「軽トラでゆこう」が秋田県内テレビCMに起用されたのは大きな機会でした。自分の家族と地元の思い出を題材にした素朴で豊かな曲です。先日、母校である能代市立二ツ井中学校の生徒の皆さんとこの曲を一緒に歌う機会がありましたが、故郷あるあるな田舎の情景をこの曲を通して子ども達が将来思い出してくれたら歌い手冥利に尽きますね。歌を通して、皆さんが故郷を語り合える場が出来ればやはり人の繋がり、そしてコミュニティが見えて来ます。

2019年 秋田ノーザンハピネッツ試合での三種ゴスペル出演時

秋田に育てられたソウルフルボイス

故郷での活動は、都内での活動にも自信とオリジナリティを与えてくれている様に思います。歌というものは結局、その人の生活や人生が声に乗って出てくるから面白いものです。自分が歌うときのイメージの根底には秋田とアメリカの風景が同居していますから、他には無い質感が歌に出ている様で楽しいです。音楽のリズムの取り方には幼少から慣れ親しんだ郷土芸能「切石ささら踊り」のお囃子から学んだ感覚が影響しています。それがゴスペルに触れ、黒人音楽のリズムを紐解くときの鍵となりました。これまで経験してきた事、身の回りで起こっている全ての事が今の自分の歌声に結びついていると思うと、改めて故郷に思いを馳せ、自分が関わるコミュニティを大事にしていきたいと思いました。これからも歌を通して人々に触れ、自分の表現の奥行きを広げていきたいと思います。

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