プロフィール
五期生
秋田県出身
留学先:マレーシア ペナン州
卒業後、重電機メーカーへ就職し購買部に4年間勤務。2年目で1年間のタイへの赴任を経験。その後自動車メーカーへ転職し購買として新車の立ち上げに携わる。
はじめに
“Look she!” 皆さん、これは私が1年生の時に授業中鼻血を出した友人がいることを教授に知らせるために咄嗟に言い放った言葉です。そうです、私は英語が苦手でした。英語は下手の横好きだし、海外に行くなんて想像できなかった大学1年生。それが今では英語で役員とバトルする、そんな会社員になっていました。私の人生を大きく変えたのは紛れもなくAIUです。AIUが結んでくれた縁と「人生楽しんだもの勝ち」というマインドセットをくれたAIUへ感謝の気持ちを込めて寄稿致します。
刺激的な大学生活
「3連休だったからちょっとカンボジア行って井戸を掘ってきた!」
五臓六腑に衝撃が走りました。大学1年の休み明けに友人が言った言葉です。私は秋田の田舎出身で幼稚園から高校までほぼ友人が変わらない環境で育ち海外経験どころか一人で新幹線にも乗ったことがありませんでした。そんなうぶな私には衝撃が強すぎたのです。
AIUで出会った友人達は私にとってまるでミラーボールのようでした。「秋田から東海地方の地元まで自転車で帰り、自分と同じ苗字の家の人に泊めてもらった!」というテレビの企画のようなことをやってみたり、発想が自由で眩しすぎたのです。彼らと同じ釜の飯を食べていく内に、自分が井の中の蛙であったことに気付き、人生を全力で楽しもうとする友人達に感化され、貪欲に人生を楽しもうと思うようになりました。
大学2年生の時に宗教学を学び、その奥深さに魅せられた私は多宗教国家マレーシアへ留学し、特にイスラム教とヒンドゥー教について学びました。夏休みにはインターンとボランティアのためインドに渡り、スラム街で英語を教えたり、ホスピスで働いたり、孤児院設立のための慈善活動に参加したり、興味があることは何でも挑戦してきました。失敗もたくさんありましたが、それも含め充実しており刺激的な学生生活を送ることが出来ました。こうして「やりたいことをとりあえずやってみる。人生楽しんだもの勝ち!」精神が大学生活の中で醸成されていきました。
幸せになる方法を知った社会人生活
「幸せと不幸は紙一重。考え方一つで幸せにも不幸にもなる。」これはAIUの友人が贈ってくれた言葉です。
私は会社員になってからも、「どうしたら人生楽しめるか?」を常に考えていました。今のところその答えの一つは、「知らない文化、歴史、人、自然、食に触れる」ということです。以前一人で中央アジアを放浪した時の話です。タジキスタン滞在中、旅人からタジキスタンとアフガニスタンの国境沿いの山脈地帯、通称「世界の屋根」パミール・ハイウェイを教えてもらいました。情報が少なく「とにかく行ってみよう!」と翌日の朝にはタクシーに乗り込みました。5人乗りのミニバンに10人が乗り込み、道なき道をドライブしました。
青天井を強調する何十色もの地層で出来たいかり肩の山々、羊やヤギに踏み耕され生々しく香る土と草の匂い、赤く濁るほど鉄分を多く含む湧き水の鋭い鉄の味、遠くで起きた山崩れの重たい地響き。5感を揺さぶる17時間のドライブの末、標高4,600mにある小さな村に到着しました。夜深く宿も街灯もなく、他の乗客は各々の家に帰る中、行く当ての無い私はピンチを迎えていました。すると、見かねたドライバーさんが実家へ招待してくれたのです。彼のご家族は私を快く受け入れ、シールチャーイと呼ばれる伝統的なバター茶でもてなし、温かい布団を用意してくれました。後から知ったのですがタジキスタンはシルクロード沿いにあり、かつて商い達が多く行き交い、彼らに宿泊場所を提供する習慣があったそうです。ご家族と小さな焚火を囲み、片言のロシア語と英語で色んな話をしました。印象的だったのは「ロシアとの関係は難しいこともあるが恩恵も大きい。これからも一緒に生きていく。」と覚悟を話してくれたことです。ネットでは拾えないリアルな声を聞くことができました。
「幸せと不幸は紙一重。考え方一つで幸せにも不幸にもなる。」
もしかしたらこの行き当たりばったりの旅を不幸だと捉える人がいるかもしれません。しかし私はこの旅で絶景だけでなく歴史、文化、人の優しさ、そして現地で暮らす人の思いに触れることができ、幸せな旅だったと感じました。冒頭の友人の言葉と、AIUで培った人生楽しんだもの勝ち精神がピンチを人生の宝物に変えてくれました。
これから
私は今年35歳になります。年齢を重ねるごとに好奇心は増えていき、現在進行形で次の挑戦への準備を進めています。これまでもたくさんの失敗や挫折を経験してきました。これからもそうだと思います。しかしAIUの友人達から学んだ人生を楽しく生きるためのTipsと、人生楽しんだもの勝ち精神で失敗も含め、貪欲に人生を楽しんでいき、いつか私も誰かのミラーボールになれたらいいなと思っています。
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