なぜバリスタという道を進んできたか

学年:4期生
出身:青森県
留学先:ドイツ マンハイム大学

卒業後一般企業に勤めるが3年弱勤務した後にコーヒーの魅力に取り憑かれ、一念発起。アルバイトからバリスタとしてのキャリアをスタートする。都内のコーヒーショップにて5年ほど勤務ののち、カナダ・バンクーバーにてバリスタとしてワーホリを経験。帰国し、現在は都内のコーヒーロースターにてコーヒー豆の焙煎を担当。

目次

はじめに

バリスタという職業をご存知でしょうか。コーヒーブームのおかげで今でこそ認知度は上がってきましたが、まだまだマイナーな職業です。コーヒー大国であるニュージーランドやオーストラリアでは一つのプロフェッショナルな職業として認められているこの職業は、専門的な技術や知識が必要であるにも関わらず、日本においては職業カテゴリとしての『飲食店スタッフ』の域を脱していません。

AIUを卒業し、いわゆる大企業に就職したにも関わらず、会社を辞め、そんなマイナーな道を歩んできた私のキャリアを語ることで、あなたの職業観を少しでも拡げられると嬉しいです。

安定と不安定の境目

2010年末にドイツ留学から帰国し、就職活動を始めたのは2011年初めでした。留学を修了した直後に訳もわからず就活サイトに登録、日々行われる説明会やエントリーシートの提出、企業研究に追われ、くだらないことを話し合ってた同期も話題は就活のことが多くなっていました。当時のAIUはメディア効果で新卒採用企業の中ではちょっとしたブームとなっており、一度は名前の聞いたことのある有名企業がわざわざ秋田の山奥の大学に説明会・学内面接に頻繁に来ている時期でした。そんなとき起こったのが3.11、東日本大震災です。企業の採用活動は中断され、再開したのは6月でした。不安定な世の中で自分の就職先を早急に決めなければいけない状況となり、いわゆる安定した企業への就職を決めました。

震災があったから、いつ死ぬかわからない世の中を好きなように生きたくなった、という方もいますが自分は逆で、不安定な世の中だからこそ安定した会社に入りたいという想いが強かったのだと思います。

冒険心を取り戻す

無事入社し、東京の中心で過ごすサラリーマン生活は、それはそれで刺激的でしたが自分の中では不完全燃焼な思いをすることが多かったです。せっかくAIUという特殊な環境を過ごしたにもかかわらず、なかなかその学んだことが活かせない。自分が面白くない人間になっていくのがひしひしと感じられる日々でした。元々AIUに入学すること自体冒険なのですから、元来冒険者気質の私が安定を求めるのはやはり心にダメージを負っていたのでしょう。

そんな私の心を解放してくれたのが当時サードウェーブというムーブメントを起こしていたコーヒーでした。世界各国からコーヒーブランドが日本に次々上陸し、味わったことのないコーヒーを飲めたり、体験できるようになりました。都内で様々なコーヒーショップを訪れ、カウンターの向こう側に立つバリスタは無個性で日々をすごす自分とは全く反対の人間に見え、いつしかその場所に立つことを夢見るようになりました。

飛び込まなきゃAIU生じゃない

「思い立ったが吉日」が座右の銘の自分はすぐに求人を探し始めましたが当時バリスタの時給は大体900円。大学時代カフェでアルバイトの経験はありましたが、実際にバリスタとしては未経験だったためアルバイトから出発しなければなりません。年収はざっと計算しても約3分の1になるような状況でしたが、私にはほとんど迷いはありませんでした。

AIUではまったく知らない秋田の山奥での特殊な学生生活を経て、英語も通じづらい外国でも過ごしたのに、ここに飛び込まなきゃそれこそAIUで得たことを活かしていないじゃないか、と自分に発破をかけました。

バリスタとして生きる

バリスタになってからも、周りの大学同期は順調に社会人として順調に生活を送っている中で、自分は生活のためにアルバイトの掛け持ちをしたり、休日があまりないために友人とのイベントに参加できないこともあったりしたため、このまま厳しい生活が続いていくのではないかという不安は常にありました。それでも続けられたのはコーヒーが好きだということでしかなかったと思います。コーヒー自体が奥深い飲み物ということだけでなく、コーヒーを通じて人と人が繋がることや、大切な空間と時間を作る力を、バリスタとして生きていくことでより感じられるようになっていきました。

そんな好きを続けていくうちに自然とバリスタとして重要なポジションを任せられるようになりました。ワーホリを利用してカナダへ渡り、小さなカフェですがトップバリスタになり修行を積みました。そして先日、東京の大きなロースターの責任者になることができました。

もちろん最初からコーヒーで生活する覚悟はありましたが、そこに好きという感情がなければ続けていけなかったでしょう。

先に点と点は結べない

スティーブ・ジョブズの有名なスタンフォード大学卒業式でのスピーチで『You can’t connect the dots looking forward. You can only connect them looking backwards.』という文があります。このスピーチを聞いた時、自分の人生に当てはめながらとても感銘を受けたことを覚えています。

想いと好きを大事にしていたAIUでの生活、留学経験、学生時代のアルバイト、新卒社会人としての経験、全てが今の仕事に役立っています。その時々は、がむしゃらに自分の心に正直に行動してきましたが、今振り返ると、それらの行動一つひとつがつながってコーヒーを生業にできていると感じます。

おわりに

この記事を読んでいる方の中には今進路で悩んでいる方もいると思います。ただただ挑戦することや耐えることも時には大事ですが、もっと大事なのはどの選択肢を選んでもそこに想いを持って取り組むことだと思っています。そして選択するときには好きを大事にしてください。そうやってできた点は絶対に無駄になりません。せっかく自分の限られた人生、想いを持って動き続けてたくさん点を作っていると、ふと振り返った時にはそれらの点がつながる瞬間が来るはずです。

もし考えても考えても繋げ方がわからないという方は、周りの人と話したり、色々なことを体験したりしましょう。私がコーヒーに出会ったように、きっとそれまでの自分にはない考えを補助点として加えてくれるでしょう。

そのときにはぜひ一杯のコーヒーをかたわらに。

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