自分の人生を、自分で選んだもので満たしていきたい

学年:6期生
出身:北海道
留学先:ノルウェー、ベルゲン
AIU卒業後、生命保険会社→イギリスの大学院に留学→会計系コンサル会社→IT系コンサル会社、という経歴を辿りました。

長いとは言えない10年弱のキャリアの中で、留学1回・転職2回と、そこそこの回数キャリアチェンジをしています。この場をお借りして、私のキャリアの選び方と、一番の転機となった大学院進学についてお伝えできればと思います。

目次

「気になること」を追いかけたキャリア

なぜこんな経歴になったのか…ですが、一言でいえば「そのときどきで気になることに取り組んだ結果」と思っています 。
私は計画を立てるのが得意ではありません。まず、単純に計画や先の見通しを立てるのが苦手です。また、先のことが決まりすぎているとつまらない、と感じる性格でもあります。そのため、何事に対してもざっくりとした方針だけ決めて、後は臨機応変に、という対応をしてきました。今のキャリアも、私のこの性格から形成されたと考えています。

最初の生命保険会社も、業務内容に興味を持って自分で選んだ会社でした。AIUで学んだファイナンスやマーケットの話が面白く、自分でも金融業に関わってみたいと思ったからです。念願叶い、資産運用の仕事に携わることになりました。

最大の転機、院進学

大学院進学を考え始めたのは、働き始めて2年ほど経った頃でした。日々マーケットを眺める中で、「成長を続けること」を前提とした経済のシステム、つまり資本主義に不安を覚えるようになったからです。 金融業は資本主義に根差した仕事ですが、その根幹となる思想に納得のいかないままこの仕事を続けるべきではないのでは、とも考えるようになりました。資金が工面できそうだったこともあり、大学院への応募を決めました。

大学院では、経済思想の歴史や背景を中心に学ぶべく、社会学部に進みました。資本主義・共産主義といった近代の思想の成立した経緯や、それらを踏まえたよりよいシステムを模索している現状を知る中で、「今の資本主義が最善だと考えている人ばかりではない、多くの人の努力で今後も改善は続いていくはずだ」と考えられるようになり、抱えていた不安が少し和らいだことを覚えています。
また、授業や論文作成を通じて、論理的思考や問題解決手法といった、基本的ですが重要なことを改めて学ぶことができましたし、学業以外でも、イギリスという国の日常風景に触れ、様々な人と出会うことができました。

そしてなにより、「この1年間を自力で乗り切ることができた」という記憶そのものが、私にとって大きな意味を持つものとなりました。曲がりなりにも、やろうと思ったことを最後までやり遂げられたこと自体が、私に自信を与えてくれたのです。

留学中に住んでいたウォリックの街並み。とてもかわいい街でした。

大学院での1年間が終わる際、博士課程で研究を続けるか、また働くかで悩みました。そして、結局は日本で就職することを選びました。海外や大学院でどうしてもやりたいことが思いつかず、一旦仕事に就いておこうと素直に思えたからです。ひとまず収入を得て、いつか興味のあることができた時にその道を選べるだけの資金を作っておこう、と。
今はご縁のあったコンサルティング会社で財務に関わる仕事をしています。色々な業界を見ることができて飽きなさそう、と思いコンサル会社を選んだのですが、狙いどおり楽しく働けています。次の転機になりそうな「やりたいこと」はまだありませんが、今のところ、目の前の日々には満足しています 。

コロナ後は国内旅行によく行くようになりました。写真は昨年訪れた出雲大社 。

役に立たなくても、いいんじゃない?

ここまでお読みいただいて、「大学院には行ったものの、結局元の財務の仕事に戻っただけなのでは?」と思われた方も多いと思います。確かに、結果だけ見ればそのとおりですし、キャリア形成の観点からは不必要な時間ととられても仕方がないと思います。
ですが、その時間を費やしてでも、私は大学院に行きたいと思いました。大学院というものを実際に体験することが、将来にあるかもしれない「良いキャリア」より大事だったのです。

不安はたくさんありました。特に留学直後は、仕事を手放したことを悔み、ひとりで大泣きした日もありました。それでもなお、これまでの経験はどれも大切なものだったと心から思います。それらなしには、今の私は形成されなかったからです。
新卒 で金融業に携わらなければ、資本主義に疑問を持つことはなかったかもしれないし、その疑問がなければ留学に行くこともなかった。そして、留学に行かなければ、大学院での経験も、イギリスでの思い出も、手にすることがなかった。それらすべてを欠いた人生は、今の私の人生とは全く異なっていることでしょう。

これからも、私の人生は私の経験したことで形作られていくはずです。ですから私は、他でもない自分自身がよいと思える経験をできるだけ多く選び取っていきたいと、そう願っています。

おわりに

もしやってみたいことがあるけど迷っている、という方がいらっしゃるのであれば、ぜひトライしてほしいなと思います。他者が認める形で成果が出るかは分かりません。ですが、そのときに、その経験をしたからこそ得られるものが確かにあると、私は信じています。

やりたいことがない方、それはそれでよいと思います。何かに対して強い感情がない、ということは、裏を返せば何でもフラットにやってみることができる、ということだとも思うからです。お互い、色々な経験をして、自分が満足できるように生きていければよいですね。

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