サラリーマンから大学職員へのキャリアチェンジ。Akita、そして、AIUにAターンした1人の卒業生のお話。

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プロフィール

学 年:7期
出身地:秋田県雄勝郡東成瀬村
留学先:コロラド大学ボルダー校(アメリカ合衆国)
在学中の課外活動:バスケ部、AIU祭キャンパスアート部
卒業後から現在までの略歴:2015年3月AIU卒業。同年4月に総合電機メーカーに入社し、東京丸の内勤務開始。約3年半情報システム事業部(金融部門)の人事を担当。2019年1月にAIUへ転職し、サラリーマンから大学職員へキャリアシフト。

総合電機メーカーへの就職、人事、東京勤務、全て希望通りだったが・・・

AIUを卒業後、総合電機メーカーに入社し、金融システム事業部(銀行、保険、証券会社に金融システムやソリューションを提供)の人事に配属されました。就活時は希望業界として「より多くの人々の生活を支える企業(インフラ関連)」で働きたいと思い、総合電機メーカーや重工メーカーを中心にエントリーしていました。また、「ヒトや組織」に関わる仕事や大学生と接点を持つことができる採用関連の仕事がしたいと思い、人事を希望していました。さらに、一度は東京で働いてみたいという願望があったため、東京勤務を希望しました。運よく全ての条件が叶い、総合電機メーカーで人事として東京(丸の内)勤務がスタートしました。

人事の仕事は多岐に渡り、配置転換や出向、退職等の人事異動対応、目標管理制度の運用、処遇、新人配属、部長・課長・主任向け階層別研修の企画・運営などの教育関連の仕事を担当しました。

入社前は「人事」という職種に対して、自社の特徴を明るく生き生きと爽やかに説明する採用担当というイメージがありましたが、実際に携わってみると、資料作成やデータ処理が多く、思ったよりも地味な仕事がほとんどでした。また、私が働いていた企業は会社単体では約3万人、グループ会社含めると約35万人の従業員が働く大企業だったため、規模も大きく、会社に貢献している感覚もなかなか持てず、もやもやした日々が続いていました。丸の内勤務当初は「東京のど真ん中で働いてる自分ステキ」といった感じでしたが、人口約2,500人という小さな村で育った私にとっては、毎日の満員電車通勤、高層ビルに囲まれた生活がだんだんと息苦しくなっていきました。

東京で勤務していた会社の同期との1枚

転職を決意東京を離れ、地元秋田、そして母校AIUへのAターン

入社4年目のタイミングで転職を決意しました。次のキャリアを考えるうえで、自分はどんなライフスタイルを送っていきたいのか確認するため、自分の中で2択の質問を提示し、「どっちの選択肢がよりワクワクするか、落ち着くか」という軸で自己分析を行いました。例えば、「サラリーマンかそれ以外」「都会か田舎」「電車通勤か車通勤」「給料かやりがい」など。また、「何をしているのが楽しいか、やりがいを感じるか」「どんな時に嬉しい気持ちになるか」についても考えました。

私の選択は「サラリーマン以外。田舎でゆっくり働きたい。車通勤。給料よりもやりがい」でした。また、誰かに自分の経験を話したりすることが好きで、それを聞いた人が共感したり、次の行動へのヒントになったりと「自分の経験が誰かの役に立った時、誰かの人生に少しでもポジティブな影響を与えた時」にやりがいや嬉しさを感じることに気づきました。これらの条件が全て一致するキャリア。それが、地元秋田に戻り、母校のAIUで大学職員としてのキャリアを歩むことでした。

AIUでの仕事(入試室編)

2019年にAIUに入職してから最初の約4年間、「入試室」のスタッフとして、オープンキャンパスや高校訪問、ガイダンス対応といった学生募集から入試の準備や運営といった入試業務を担当しました。大変だったことは、合否に関わる重要なデータを扱っていたため、ミスの許されないプレッシャーの中で仕事をしなければならないこと。また、入試準備やオープンキャンパスの準備はたくさんのタスクがあり、マルチタスクで同時に進めていく必要があったことです。

一方で、AIUという小さなコミュニティだからこそ、他部署のスタッフや教員、学生に協力を仰ぎ、他者を巻き込みながら仕事を進めていく大切さと、みんなで1つになって何かを作り上げていく醍醐味を味わうことができたのではないかと思います。また、卒業生スタッフとして、受験生や保護者、高校の先生方に、大学時代の経験を踏まえながらAIUの魅力を伝える仕事ができることにやりがいを感じることができました。AIUに合格したい!という受験生の姿を見て、高校1年生の時からAIUを第一志望としていた過去の自分を思い出し、自分も頑張ろう!と高校生から元気をもらう瞬間もありました。

このような経験の中で、私が特に心に残っているエピソードがあります。2020年にコロナ禍において対面での活動が制限されたため、受験生がオープンキャンパスやガイダンス等のイベントに参加できない状況が続きました。そこで、少しでも多くの受験生にアプローチできるよう、入試や大学生活に関する質問に関して、受験生が入試室のスタッフに相談できる「オンライン個別相談」を実施しました。AIUの魅力の1つでもあるアットホームな雰囲気を受験生にも感じてもらいたかったため、受験生とオンライン上で話す時は、和やかで落ち着いた雰囲気作りを意識しました。また、私はAIUの「スタッフ」「卒業生」の両方の立場から受験生と会話ができる長所を活かしたいと思い、学生時代の話も交えながらより親近感が沸くようなコミュニケーションの取り方を意識していました。そして、入試室で働き始めて3年目の年に、ある学生と面談をする機会があったのですが、その時学生から、「受験生の時、オンライン個別相談でお話させていただき、その時から絶対AIUに入りたいと思い頑張りました。こうして、入学できキャンパスでお会いできてすごく嬉しいです!」と言ってくれたのです。私の事を覚えてくれたこと、そして私と話したことがきっかけで受験を決めてくれたと聞いたときは、大きな喜びと何とも言えない達成感を感じました。

AIUでの仕事(学生課編)

2023年4月に、入試室から学生課に異動しました。新入生のチェックインやオリエンテーションの準備・運営、学生会やクラブ、委員会などの課外活動支援、休学や退学といった学籍異動の手続き、そしてチームリーダーとしてチームの統括を行っています。

大変なことは、学生からの問い合わせ内容が幅広く、学生1人1人個別のケースに対して対応を考えなければならないことです。過去に対応したことのない事例も多く、解決するための道筋(ストーリー)を立てながらよりスムーズに対応できるよう努力していますが、これがなかなか難しいです。今後、多くの事例に対応していく中で成功と失敗の経験を積むことで、どんな問い合わせが来ても過去の事例を踏まえながら迅速かつ適切に対応していけるよう心掛けたいと思います。

また、学生が主体となり活動する機会を創りたいという想いから、学生に協力をお願いすることも多々ありますが、授業や課外活動で多忙を極めている学生とうまくコミュニケーションを取り、物事を進めていくことに難しさを感じる場面もあります。例えば、普段学生とメールでやり取りすることが多いのですが、メールだけのやり取りではなかなかお互いの意図が伝わりづらく物事が前に進まないことがあります。そのため、定期的に関わる学生(例えば、学生会や学生課からボランティアを募って実施している学生主体のプロジェクトなど)とは、週に1回直接会ってミーティングの機会を設けることで、円滑にコミュニケーションが取れる工夫を行っています。一度も顔を合わせたことがないと、互いに歩み寄ることが難しかったり、メールだけのやり取りだと文字だけを見て判断するため、1つの言葉の捉え方の違いが状況の悪化に繋がることがあるためです。また、私は、互いに複数回接触すると好意的な態度が形成されやすくなるという「単純接触効果」の考えが府に落ちているため、できるだけ会う機会は増やしたいなと常日頃考えています。

このように学生課での仕事は難しさがある一方で、学生が困っていることに対して、どうやったら解決できるか、様々な視点から考えるプロセスから学びを得ることができたり、解決できたときは学生のサポートに繋がった達成感やまた1つ成功事例を作ることができた喜びを感じることができます。また、学生課で仕事をしていると、竿燈祭やAIU祭など大きなイベントに参加したり、クラブ活動に関わったりすることで、一瞬学生時代に戻ることができ、若返った気持ちになります(笑)。また、入試室で仕事をしていた時は学外の方と接する機会がほとんどでしたが、学生課では学年問わずたくさんの学生と話す機会があるため、大学職員の醍醐味を日々感じることができています。

AIUを卒業して数年経っても集まれる同期がいるありがたみ
(秋田から東京に遊びに行ったときの1枚)

おわりに

ここまで、長々と書いてしまいましたが、今回は、AIUを卒業してからどんなキャリアを歩み、どんなことを経験し、感じてきたのかについてお話させていただきました。第一志望で入学したAIU。しかし、待っていたのはEAP1からのスタート、19回目のTOEFLでやっと掴んだアメリカ留学への切符。目の前の壁を乗り越えるために、同期や先輩、後輩、そして教職員の皆さんにたくさん助けられました。

私と同じように今のAIU生も苦労し悩みながらも日々奮闘していることと思います。私が助けてもらったように、私も卒業生スタッフとして、多くの学生の支えになれる職員をめざし、学生と一緒に苦労や喜びを分かち合っていきたいです。また、多くの学生に卒業後も覚えていてもらえるような職員になれたら嬉しいなと思います。

最後になりますが、東京で働いていた時はAIUの同期や先輩、後輩が近くにいたため、いつでも会うことができる環境でしたが、秋田にいるとそのような機会も減り、非常に寂しいです。卒業生の皆さん、いつでも秋田に、そしてAIUに遊びに来てください!お待ちしております!

竿燈祭終了時に学生と撮った1枚。頑張れAIU生!
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